西成区のアートプロジェクト「ちょちょまうヴァナキュラー(以下ちょちょヴァナ)」が実施する『作業場@旧今宮小学校(以下《作業場》)』をめぐる「5時間クロストーク+展示」を開催します。《作業場》は大阪市の文化事業「ブレーカープロジェクト」が美術家・きむらとしろうじんじんとともに2015年に立ち上げ、2024年度よりちょちょヴァナが引き継ぎ、のべ10年間継続して実施してきました。ちょちょヴァナは《作業場》を中心としたプロジェクトを展開するため、新たに発足させたものです。

《作業場》は活動を継続するなかで、地域の教育・福祉機関との協働を重視しそのあり方も変化しています。今回のクロストークでは、改めて《作業場》を紹介するとともに、これまで活動をともにしてきた協働機関のスタッフと参加者それぞれにとっての《作業場》を掘り下げます。同時に、聞き手として、教育や福祉をベースにしたアートの取り組みの評価設計等も手がけるアートマネージャー・リサーチャーの石幡愛さんに立ち会っていただくことで、地域で継続して実施するアートプロジェクトのありようを多面的に捉えることを試みます。また、今年度のリサーチプロジェクトとしてStudio Kentaro Nakamuraと立ち上げた「ちょちょヴァナ」のウェブサイトを紹介。このウェブサイトでは、お知らせを一方向で伝える機能を超えて《作業場》をオンライン上でどのように表象できるのかという実験でもあり、その制作プロセスは、《作業場》とは?を考えることそのものでした。さらに《作業場》スタートした「音」のプロジェクト《おとあつめ》は、会場内での展示を試行します。

《作業場》の10年間で積み重ねられた、一面的には捉えどころがない、さまざまな出来事を振り返りる時間を開き、語られる言葉は、これからの《作業場》、アートプロジェクト、ひいてはこれからの社会の礎となるのではないかと考えます。《作業場》に参加したことがある方もない方も、ご興味のある方は誰でもぜひご参加ください!

日時
2025年3月16日(日) 13:00–18:00頃(出入り自由)
会場
西成区民センター 1Fホール(西成区岸里1-1-50)[MAP
参加費
500円
定員
50名(要申込)

プログラム

1部:《作業場》のこれまでといま 13:00〜13:40

きむらとしろうじんじん(美術家)、高岩みのり・松尾真由子(ちょちょヴァナ事務局)

2部:《ちょちょヴァナ》のWebができるまで 13:40〜14:10

仲村健太郎、小林加代子(Studio Kentaro Nakamura)

3部:それぞれの《作業場》〜協働機関を交えて〜 14:15〜16:15

吉村友美 (山王訪問看護ステーション)、白川陽子(大阪府立今宮工科高校)、多賀井潤一郎(今池こどもの家)、きむらとしろうじんじん、高岩みのり・松尾真由子
聞き手:石幡愛 (アートマネージャー、リサーチャー)

4部:はなす《おとあつめ》 16:30~17:00

江崎將史、カメイナホコ、光永惟行、米子匡司

5部:《作業場》のこれから(今日の感想/質疑応答) 17:00〜18:00

石幡愛、きむらとしろうじんじん

《おとあつめ》の展示:《作業場》でこれまでに集めた音の展示を通して《作業場》の音による再編成を試みます。

プロフィール

  • きむらとしろうじんじん

    きむらとしろうじんじん

    KIMURA Toshiro Jinjin

    美術家

  • 江崎將史

    江崎將史

    EZAKI Masafumi

    音楽家

  • カメイナホコ

    カメイナホコ

    KAMEI Nahoko

    音楽家

  • 米子匡司

    米子匡司

    YONAGO Tadashi

    音楽家

  • 光永惟行

    光永惟行

    MITSUNAGA Koreyuki

    音楽家

  • Studio Kentaro Nakamura

    Studio Kentaro Nakamura

    デザイナー

きむらとしろうじんじん

きむらとしろうじんじん

KIMURA Toshiro Jinjin

美術家

1967年新潟県生まれ、京都府在住。京都市立芸術大学大学院美術研究科で陶芸を学ぶ。1995年より、大小2台のリヤカーに、陶芸窯・素焼きのお茶碗・うわぐすりなどの陶芸道具一式と、お抹茶セット一式を積んでまちの様々な場所にあらわれる移動式カフェー旅回りのお茶会「野点(のだて)—焼立器飲茶美味窯付移動車」を全国各地で開催している。2008年には、参加者がオリジナルの屋台を制作し、各々の「魅力の予感」をまちの路上に持ち出す「野点2008+妄想屋台祭り」を水戸芸術館主催で水戸市内各所で開催。また、2010〜2013年度には東京アートポイント計画の一環として、一般社団法人「谷中のおかって」とともに東京都台東区谷中界隈を舞台にこども創作教室「ぐるぐるミックス」の立ち上げに関わる。2014年に今宮小学校での野点を契機に「作業場」の立ち上げ・運営に関わり、現在も絶賛続行中。

江崎將史

江崎將史

EZAKI Masafumi

音楽家

音を伴う行為、作曲、トランペット。
音の出る事象を並列、観察。
最近の行為に『Natural history of daily life 』『家鳴りを聴く会』『テキ屋的』などがある。
アキビンオオケストラを主宰。popo/HOSE/Black&Mountain/対極/ omm-pah/音遊びの会/グラタンカーニバル/石すもう、などでの活動。各地の海岸で採取の石を売る。

カメイナホコ

カメイナホコ

KAMEI Nahoko

音楽家

ピアノ、シンセサイザー、ソプラノサックスなどを使って自由に演奏する音楽家。2002年よりハルモニウムやバスクラリネットを用いた即興演奏の活動を開始。音楽の枠組みにとらわれず、国内外におけるバンド活動やセッション、プロジェクトへの参加などを行っている。参加バンドはウリチパン郡(ex)、三田村管打団?、トンチトリオ、moon face boys、グラタンカーニバル、カメアリエレクトリック、タートル山、など。

米子匡司

米子匡司

YONAGO Tadashi

音楽家

トロンボーン・ピアノなどの生楽器と自作の電子楽器を使ったライブ演奏のほか、音の鳴る状況を扱ったインスタレーションの制作、屋外に着目したイベントや録音作品の制作などを行う。ソロでの活動のほか、これまでにSjQ/SjQ++(cubic music/HEADZ)、越後屋(NOISE McCARTNEY RECORDS)などのグループに参加。国内のほか、マレーシア・シンガポール・ドイツなどで展覧会・ライブイベントに参加。

光永惟行

光永惟行

MITSUNAGA Koreyuki

音楽家

グラタンカーニバルの名義で録音や演奏をしている。また、音遊びの会、アキビンオオケストラ、NADUKEなどに参加している。たまに絵を描いたり、アニメーションを作ったりしている。

Studio Kentaro Nakamura

Studio Kentaro Nakamura

デザイナー

仲村健太郎(ブックデザイナー・グラフィックデザイナー)
1990年福井県生まれ。2013年に京都造形芸術大学情報デザイン学科を卒業後、京都にてフリーランス。大学ではタイポグラフィを専攻。京阪神の芸術・文化施設の広報物や書籍のデザインを中心に取り組む。タイポグラフィや本のつくりを通して内容を隠喩し、読む人と見る人に内容の新しい解釈が生み出されることを目指している。

小林加代子(ウェブデザイナー)
1990年兵庫県生まれ。神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科エディトリアルデザインコース卒業。ウェブ制作会社勤務を経て、2019年よりStudio Kentaro Nakamuraに所属。ウェブサイトをメタメディアと捉え、さまざまな事象のもつメディア性を取り入れながら実験的に制作。情報と体験の新しい関係性を模索している。